LVMH(Moet Hennessy Louis Vitton、モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)グループの一角を担い、同社のホームページによると世界コニャック市場の41%を占めているそうな。
同社の所有する畑は600ha以上あるが、これだけではまったく足りないので、ほとんどは周辺農家からの買い上げとなっている。
ここで凄いのが、それだけの畑からの寄せ集めで、常に一定の香り、味わいをキープしている事である。
ワインなどは、畑のみならず、年や作り手によっても味が変わるというのにである。
コニャックはワインを蒸留して作るのであるから、熟成後の樽出し原酒はそれだけバラエティに富んでいる。
そこからブランド特有のコニャックを作り上げるのがブレンダーと言われる職人である。
ヘネシー家は創業当初からジャンフィユー家にブレンドを任せてきた。
ヘネシーというと、一般の人は高級酒のイメージを持っているが、ちょっと詳しい人だとやや小馬鹿にする帰来があるが、それだけの量を作りながら、毎年同じクォリティのコニャックを作り出しているブレンド技術が恐るべき技術であることに疑いを挟む余地は無い。
このブログではヴィンテージコニャックの Hennessy 1972 くらいしか取り上げていないが、メジャーなコニャックしか知らない頃は、Hennessy XO を一番気に入って飲んでいたものである。
ただ、この様なメジャーなものは、誰でも飲んでいるだろうからわざわざ評価するまでもないだろうということで取り上げていない。
とは言え、私自身、今でもあまりコニャックを置いてないバーなどに行ったときなど、上記XOをおいしく飲ませていただいている。
ちなみに、VSOPは Privilege(プリヴィレッジ)というものと、Fine Champagne(フィーヌシャンパーニュ)という2種類があり、これらはまったく別物である。
前者はいわゆる短期熟成ブレンドものであるが、後者は名前の示すとおり、Grande Champagne, Petite Champagne の原酒だけからなるすっきりと上品な味わいに仕上がっており、明らかに一般のVSOPよりは格上である。
(もちろん Frapin VSOP はさらに格上)
という言うわけで、ここで取り上げていないからと言って私がヘネシーのコニャックを嫌いな訳ではないことを書いておこう。


