2007年12月26日

なぜコニャックはおいしいのか?

実に哲学的なタイトル。いや、もしかしたら独りよがりかも。そもそも「おいし
い」と決め付けてるし。
しかし、コニャックがおいしいのには、それなりの訳がある。

・原料が葡萄
 ここでも何度も書いているが、麦や米等の穀物より葡萄のほうがおいしいのは当たり前。リンゴと葡萄だとどちらか?というのは微妙に個人差があるかも。

・その葡萄のエッセンスを濃縮
 コニャック地方の葡萄から作られるワインは酸味があり、糖度が低い。しかし酸味は熟成により香味成分に変わる。糖度が低いと言うことは発酵してもアルコール度数が低いと言うこと。すなわち同量の蒸留酒を作るために、より多くのワインを必要とする。結果的に上記の香味成分が多く含まれる事になる。

・製法が法律により厳密に定められている
 ボルドーやブルゴーニュワイン同様、AOC(原産地呼称統制法)により、「コニャック」と名乗れる条件が厳しく定められている。そのため、いい加減なものは製品として許されない。

・熟成年数が長い
 上記AOCでも定められているが、最短でも2年〜3年、VSOPと名乗るためには4〜5年以上の熟成が必須となっている。しかし現実にはVSOPでも大抵5〜6年熟成の原酒を使用している。これがXOクラスになると、法律上は7〜8年以上の物でいい事になっているが、実際には10〜50年熟成が普通である。

・シングルコニャックの場合、1農家で完全にコントロール
 葡萄の栽培から、収穫、圧搾、発酵、蒸留、瓶詰めまで一貫して行われる。したがって、職人のこだわりが究極まで込められる。ただし、葡萄の栽培から瓶詰めまでは数十年の隔たりがあるため、同一職人ではなく、農家ごとのノウハウとして蓄積される。これが100〜300年続けられてきている。ことブドウ栽培に限れば、フラパン家など500年以上の歴史がある。

・ブレンドの妙技
 コニャックの場合、シングルコニャックであってもシングルカスク(単一樽)と言うことはほとんどない。年によってバラツキのある原酒を巧みにブレンドすることで、味わいの安定性をもたらしている。一家の味を守るマスターブレンダーの役割は重い。これはシングルコニャックでも、大手メーカーでも共通。


このようにして作られるコニャックはやはり他のお酒と一線を画するものがあって当然と思える。


posted by つぅ at 00:09| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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