ところが、その昔はイギリス人がやって来て作り始めたりとか、イギリス向けに出荷とかがあったため、その読み方もかなり微妙。メーカー自身も主力マーケットに合わせている感じがする。
例えば Hennessy。フランス語では「エネシー」と読むが、普通は英語読みで「ヘネシー」。Remy Martin は英語読みなら「レミー・マーティン」だが、一般的にはフランス語式に「レミー・マルタン」。Camus は英語的に読むと「キャマス」だろうか?しかしこれも普通はフランス語式に「カミュ」と読む。
先日の A.E.Dor は結構悩んだ。英語式なら「エー・イー・ドール」だろうが、もとは、Amédéé Edouard Dor という創業者の名前。普通にフランス語式に読めば「アメデ・エドゥアール・ドール」。省略式は「ア・ウ・ドール」となる。フランスの知人に聞いてもそうだった。なので、これを「エーイードール」と読むには抵抗感がある。「ヘネシー」に抵抗感がないのは創業者が「リチャード・ヘネシー」というアイルランド人だったから。
また、非常に抵抗感のあるものが、Courvoisier。一般的には「クルバジェ」と呼ばれることが多い気がするが、フランス語的には「クールボワジエ(クールボアジエ)」だろう。英語式なら「コーアボイジァ」ってとこだろうか。
また、メーカー名ではなくクラスの名前で、Heritage というのがある。英仏ともに同じスペルで遺産、遺跡というような意味だが、フランス語なら「エリタージュ」。Tres Rare は「トレ・ラール」。
いや、あまりうるさく言うのも気が引けるものの、逆に「越乃寒梅」を外国人が「えつのかんばい」とか読んでいたら寂しいだろう。ここはやはり生産者に敬意を払いたいところである。