なにやらアルマニャックをたくさん置いていると言う事で、こりもせず行ってみた。
いわゆる Bas Armagnac(バ・ザルマニャック)ものは、その独特の力強い癖が好きになれなかったので、「華やかなものを」と言って出されたボトルが Armangac Ténarèze(アルマニャック・テナレーズ)もの3本。この産地のものは力強さより柔らかさに特徴があるらしい。
調べてみると、Bas Armagnac の土壌は粘土質で、Armangac Ténarèze は石灰質らしく、コニャックで言うところの Grande Champagne に近い。
ありがたいことに、開栓して香りを嗅がせてくれた。その中でアルマニャック臭(?)の少なさそうなところで選んだのが、
Tenareze de Ladeveze Grand Age (テナレーズ・ドゥ・ラドヴェーズ グランダージュ)
第一印象は「美味い!」。これを美味いと言うようじゃアルマニャックファンの風上にも置けないと言われそうだが、逆に言えば非情にコニャック、それも上質のものに近い。
ブラインドでコニャックと出されれば全く疑わないであろう。官能をくすぐる熟成香や、柔らかな香りと味わいの繊細なバランスが大変素晴らしい。
次に飲んだのは、「これはちょっと変わったものですが」と言って挑戦されたもの。
Louis Dupuy 1982 (ルイ・デュピュイ 1982)
こちらは、Bas Armagnac だが、使っている葡萄が「バコ」という珍しいタイプ。興味を引かれたのでハーフで頼んでみた。
これまた、個人的に抱いていたアルマニャックの香りとまた違った、しかしテナレーズよりもしっかりした味わい、香り。大地の力強さと言うより土の素朴さとでも言うような雰囲気。
次はまたまたテナレーズに戻って
Larressingle Age 21(ラルサングル アージュ21)
こちらはちょっと特徴があまり無く、記憶も薄い。
そんな感じで、アルマニャックをいろいろ試せて面白かった。特に Ladeveze を味わえたのは収穫。多分アルマニャックのそろえでは日本でも5本の指に入るであろう。
普通のバーとしても落ち着いた雰囲気、ソファー席もあり、使い勝手もよさそう。